白飯

好きな物100

ザ・ラスト・インディアン

僕の自転車は真っ赤で、マウンテンバイクに見えるがただのママチャリで、INDY500とかっこいい英語が書いてあって、カゴがちっちゃいというというやつなのだが、自転車の後輪がいつのまにか歪んでいた。スポークが2本くらい折れていて、回転すると左右にゆれる。雨の日に、走るときにブレーキがこすれて音がでてきづいたのだが、いつからそうだったかはわからない。ついでにベルも鳴らすところの部品がとれてなくなっていた。自転車屋にもっていくも、車輪交換になるので、8000円くらいかかるという。
乗れないことはないのだが、意識すると重くなってるのがわかる。左右に車輪がぶれてブレーキがかかるのだ。あと微妙に振動が起る。オンロードなのにオフロードを
新しいのを買った方がいいのかもしれないと思い、二三日乗っていると、ペダルが壊れた。
もう限界と思い、新しい安い自転車を買うことにした。一万円で同じ大きさの自転車があったので、それを買った。そして、インディを525円で処分してもらった。その手続きをしている最中に、寂しさと後悔が押し寄せてきた。部品交換して使うより、新しいのに買えた方が、結果的に安くすんで長く持つかと思ったが、僕は間違っていたのではないか。僕はいつも失って気づく。車輪とペダルとベルと、ついでにブレーキも直してもらって、一万円とちょっとだろうか、新しい自転車と同じくらいかかるが、インディは死なない。インディに乗れる。
しかし、そういう声を発しないまま、新しい自転車を買い、インディは引き渡された。
さようなら、インディ。もう振り返らない。