白飯

好きな物100

「しあわせ」,「寸前爆発」,「絶望に効くクスリ」

最近疲れてる友人が、貸してくれた。仕事が始まって何かが始まりそうでワクワクするような、逆に何も始まらないんじゃないか?と突然何かに気付いてガクガクブルブルしてしまいそうな最近だったので、結構、しっくりきた。

しあわせ  戸田誠二

しあわせ

帯に、『新谷かおる氏激賞!! 「感受性のない奴は買うな!!!価値がわからん!」 』って書いてあって少しドキドキしながら読んだ。日常の切れ端とか、青春のヒトコマとか、ちょっとした事件とかでの登場人物の心情や変化が描かれている、と思う。帯には、「・・誰もが持っていて、ほかの誰にも知られたくない部分が突きつけられる・・」って書いてあって、ほんとそんな感じだなと思ったのが感想。全然解らないものも半分くらいで、後は自分にも解るもの、解った気になるもの。自分の体験やら考え方によるんじゃないかなあと思って、解らなくても別にいいやと思った。何か受け取ったような気になったら良い気がする。良いマンガだ。良かった。この作者は、どうやってこういう日常とか心情とか拾ってくるんだろうとなと不思議に思った。あと、登場人物の横顔が印象的だった。

寸前爆発  常盤雅幸

寸前爆発 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

帯に、『佐藤江梨子さん悶絶!!』と書いてあって、別にどうでもいいなと思って読んだ。今帯を見返したら、『読書人で、グラビアアイドルで、女優の』って冠についてた。読書人だったのか。それよりも「絶対に汚すな」と友人に言われたので、少し気をつけてドキドキしながら読んだ。

シュールな8コママンガ。もう画風からシュールしかない感じだが、読んでみて、シュールだけじゃなくベタな感じも混じってるようで、もう全く意味がわからなくなって、それがシュールなのかと、シュール自体わからなくて、全然笑えないまま、読み終えた。

ああこれは感想には、わからなかった、しか書けないなと思って、パラパラ見直したらなんか面白い。一回目は8コマ目のオチを期待して、オチが落ちてなくて訳が分からない!笑えない!と思ってたんだけど、落ち着いてよく見ると、この8コマは途中で既にオチているというか、雰囲気がもう面白い。一コマ目で、大学生6年生とくのいちが筏で漂流して二日目で、なんかもう、これだけでご飯何杯もいけそうだ。

絶望に効くクスリ 山田玲司

絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.1) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

作者が、偉業を成し遂げた人とか、今活躍中の人の成功秘話というか、闇のような絶望の中からどのように這い上がったかを聞いてマンガにする。インタビューマンガ。

最近、言葉による救いとか癒しみたいなものも安易な逃げ道のような気がしてて、じゃあもう劇的な救いなんてないのかなあと、望みが無いことを絶望というのならば、それに近いような思いを抱いていたので、読んでエネルギーをもらえてとても良かったと思う。

この作者の人は、思想とか感情とか理想とか精神的なものに支配されてそうな感じがしてて、前にブックオフで一度だけマンガを立ち読みしたことがあって、読みやすい絵と言葉だったと思うんだけど、今から思えば、なんか安定しない感じで途中からではマンガの全体像が掴めなかった気がする。でも、この本の一話で作者の絶望に効くクスリというか辛い時期のことが書いてあって、それを見ると現実を生きながら、精神的な世界にも理解を示すような姿勢を感じて、安心して偏見なくマンガが見れた。

正直、井上雄彦みうらじゅん、はねるのとびらの秋山と虻川以外は知らなくて、あんまり興味はなかったけれども、それぞれの成功と苦労の話は、なんか良かった。こう生きよう、こうなるんだ、という自分の考え方を貫いて生きてるところが、素晴らしい。素晴らしいエネルギーだ。一般的に、良い悪い、損だ得だ、というような煩わしさの中、自分の好きなことや良いと信じることはすごいかっこいいなあと思った。僕も、なんか好きなことを見つけて、それだけをやって生きていけたら、楽しい人生だろうなと思った。こういうことを思えるというのは希望があるということで、しっかり絶望に効くクスリが効いているなあと思った。

最後の文みたいに、無理やりにでも綺麗にまとめるような文章を書くのは、なんかあんまり良くないなあと書いてから感じた。いらない気がする。小学校の作文からの悪癖だ。