白飯

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「SPEEDBOY!」舞城王太郎

SPEEDBOY! (講談社BOX)

SPEEDBOY! (講談社BOX)

周囲と隔絶し、誰からも限界を設定されない状況で、マッハの速度で走れるようになっていく背中に鬣の生えた少年成雄の物語。「山ん中の獅見朋成雄」の続編なのかと思いきや、章が変わるたびに同じ名前の人は出てくるんだけど設定が少しずつ異なっていて、虚構の入れ子構造になってた「九十九十九」や「暗闇の中に子供」を思い出した。


読むほうのドライブ感みたいなのは、前までの作品の方が持ってたと思うけど、走っていくうちに音速を突破するという基本設定、海の上を水しぶきを上げながら走っていくのがかっこ良かった。擬音語、擬態語がさりげなく描写を盛り上げていた。手を水平にして飛行機の翼のようにして速度を上げるとか、ひたすら速い世界は凄く魅力的だと思った。


読んでて、わからなくなるな、という実感があったのだけど、案の定よくわからなかった。せっかく買ったのだからまた読もう。