白飯

好きな物100

ヒゲダンス・イン・ザ・ダーク

会社は4階にあって、帰りにはその長い階段を降りるわけだけど、そのとき腕がジョギングのように小さく腕を折り曲げた形で、リズミカルに揺れるのに気付いた。気付いたというか、再確認した。微妙にコミカル。そんで誰もいなかったのでヒゲダンスで降りてみた。楽しい。その日は少し遅くなってたので、帰り道に人がいなかった。休み休みヒゲダンスでジョギングしてみた。運動不足でけっこうしんどい。体育会系の先輩命令でヒゲダンスでグラウンド20周。疲れた顔だけどヒゲダンス。そこにはもう可笑しさはないのだけど、どうしょうもない何かがあるなあと思った。水平にした掌で地面を押えるように。手はあげるのでなく押えた反動、上昇気流を意識する。顔は極大の笑顔を凝縮して張り付ける。そんなことを思った。街中で規定時間ヒゲダンスする罰ゲームを考えた。何気ない姿勢から、何かを考えてる風から、一瞬の極大笑顔とヒゲダンス、そしてまた悩みの顔や、人を待つ姿勢に戻る。もしくはある人にばれないようにヒゲダンス。背後を、瞬きを、死角を狙え。割とありがちなゲームだけど実際にやると楽しいんだろうなあ。テレビとライブで面白さの分野が違うなあと思う。削ぎ落とした方がいい場合、悪い場合。閑話休題。まあ今更ヒゲダンスと自分でも思う。改めて語るものでもないだろう。しかし、いつもそこにある気がするヒゲダンス。10年経っても20年経ってもそこにあるのだろうか。これはとてもいいものなのに。