白飯

好きな物100

同姓同名小説 

松尾スズキの短編集。一つの話に一人の芸能人が出てくる。例えば一話「みのがみのであるために」でのみのもんたの登場を抜き出すと

六畳一間風呂なしダニ付きの湿気だらけの部屋には一鉢のサボテン日持ちのいいビスケットうずたかく積まれた週刊誌とCDの山。
 そして片隅にはみのもんたがいた。

部屋の端っこに小さくなって座ってるみのもんたを想像する。多分もう夕暮れだ。ああ、なんだろうこの非日常感。なんかドラマが見えてくる、ような。

芸能人の纏うオーラをうまく使ったフィクションというか、好き勝手かかれすぎて、もはやただの奇人・狂人になってる感じが、Web上のテキストのような感じがした。竹内力哀川翔、荻野目慶子は良かった。いい具合に狂ってる。狂いっぱなし書きっぱなしの文章かと思いきや、最後はちょっと哀しい感じで締める。うまいなあ。


「ルーとシーは、ともに死ぬ」というテキストサイトも、芸能人ネタの短編小説みたいなのが載ってる。雰囲気は非情に良く似てる。これ書いてる人もかなりハイセンス。

「ルーとシーは、ともに死ぬ」
http://members.jcom.home.ne.jp/redcrab/