白飯

好きな物100

「10point〜流星の貴公子〜」劇団酔眠薬


競馬の話。悲劇の家系から生まれた馬が、栄光と挫折の中、死んでいくまで。馬パートと人パートが交差して物語が進んでいく。


非常に典型的な物語構成を使っているというのを感じた。悲劇の馬。その馬に魅せられ運命を感じる冴えない騎手と、冴えない騎手と共に駆け上がっていく馬。無鉄砲でガラの悪い主人公馬、そのライバルとなるエリート志向で皮肉屋で人(馬)に不快な言葉を投げつけないといられないナイフのような典型的スネ夫べジータ、気が弱く謙虚で大人しいが内に秘めたる潜在能力は1流のゴハン馬の三頭のキャラ付けが完璧だった。

その辺り、手堅いとも言えるが、肝心の騎手と主人公馬の結びつきや、冴えない騎手が、周囲から認められていくとこらへんの描写が全然伝わってこんかったので、全体的に良い印象ではなかった。だが、スネ夫でありべジータであるライバル馬が、すがすがしいほど嫌な奴で良かった。役者の人が素晴らしい。生で見るのとテレビで見るのとの違いだな。

レースのところ、展開にあわせて、騎手や馬が喋るのが漫画的で好きだった。がぜん盛り上がる。でも馬は馬で勝手に実力で走ってる感じなので、騎手の実力とかわからんかった。馬ストーリーと人ストーリーの繋がりが薄く感じられて、人はなんやかんや言って、馬の運命をもてあそぶだけというエゴの薄ら寒い感じが見えて良かったのだが、それは本意じゃないだろうなあとか思った。