白飯

好きな物100

「マトリョーシカ地獄」クロムモリブデン


楽しすぎる。前の「猿の惑星は地球」も面白かったけど、それを遥に凌駕する面白さ、だと思った。良い意味で期待が外れた。以下、スゴイスゴイ言うだけの感想。
始まりから最後まで一時もテンションが下がらないのスゴイ。舞台の上も、僕も。奇妙な台詞と動きが止まらない。一番前の席で、役者の人の表情がはっきりと見えたのが良かったのだろうな。この人らスゴイ。役者本体と演技する対象の役というのは、分離して観てしまうと冷める気がするのだ。「こういう感じの」「をやろうとしている」「役者」を観てしまうと、恥ずかしいような気持ちになるのか。それが、この演劇のキャラクターは漫画的というか、頭オカシくて、誇張されまくってるのだけど、自然に見える。それはフィクション的に自然とうことか。そしてスキが無い。型にない、想像を裏切った変化を続けてくれるので飽きないのだと思った。あくまで、個人的に感じるところだけど。


お話としては、万引きをした女性と、その女性をどうにかしたい万引きを捕まえた男性店員の中の人格と思惑が入り乱れた結果、女性は警察官を殺してしまい(しまったと思い込み)、それを自分的に都合よくポジティブに生きる為の人格を作り出し、捨て去り、男性の方でも女性の暴力衝動に刺激されたのか何なのか人格が変成を起こし、なんやかんやで捨て去ったはずの暴力衝動を殺そうとして、最後、破壊神が光臨する。


人格が一人の人間として現れるので、ややこしいこと、この上ない。それが面白いのだけど。ストーリー的には良くわからない部分がたくさんある。実際に現実に起こっている事は想像するしかないのだけど、全てが内面で起きた事柄だったで解決すればいいのかもしれない。もしかして、死んだ(生きてるけど)警察官も内面の一部だったのか? マトリョーシカは内側に内側に無限に続いていく印象だけれども、外側にも同じことが言えるのかもしれないな。


とにかく大体がツボで、ずっと笑っていたかったけど、誰も笑ってないところで笑うわけにもいかないのでニヤニヤしてた。やらしい意味じゃあ(あんまり)なくて。