白飯

好きな物100

仏ゾーン・シャーマンキング・重機人間ユンボル


風呂に入ってきたら落ち着いてしまったので上の文章は適当に締めたが、それもふとシャーマンキングを思い出したからだ。30巻続いて、打ち切り。伝説の現実である。これも、ハンターハンターの長期休載とか武装錬金の打ち切りと復活とか昨今の小学生は現実というものを早くに知りすぎてしまうような気がする。そんな事を考えつつも、武井先生最新作の重機人間ユンボルに思いを馳せた。
あれは、とても良いものだ。アグレッ渋い(アグレッシブかつ渋い)処女作仏ゾーンのような強烈な真っ直ぐ感とシャーマンキングの長期連載で得た空気とリズムが、作品に異様な安定感を与えている(安心できるという意味ではない)。
今思うに、シャーマンキングはユルい主人公が、(作品内外の)現実の厳しさをユルく流せなかったのが未完終了の原因だったような気がする。抽象的、感覚的な文章になってしまうが、物語世界が広がると同時に物語可能性が狭まってしまった感じ。かといってユルい主人公がユルい現実をユルユル過ごすのでは意味がなかったわけで、真っ当に物語した挙句の事だとは思うのだけど。つまりあの話は、麻倉葉がハオに負けた話なのだといえる。
その失敗を経てるからこそ、重機人間の力の抜き方が良いと思われる。マンガ自体に力は入っているのだけど、それ以上に組み込まれた設定がどうしても物語が硬化するのを防いでくれる。「ゲンバー大王の現場主義こそが弱点」なんてのが一つのギャグだけでなく話全体に関わるなんて、なんて、なんて素敵なんだろうか。
僕はユンボルなら、プリンセス・ゲンバーを抱きかかえて現場結婚式が最終回であっても許せる。そんなユルイ感じに作品が生み出されていくなら、仏ゾーンにもシャーマンキングにもまたどこかで会えるだろうと思うのだ。そんな期待を抱かせてくれる。
ただ一つ、心配なのはジャンプという現実だ。敵は己だけではない。


シャーマンキング 32 (ジャンプコミックス)
シャーマンキング 1 (ジャンプコミックス)
仏ゾーン (3) (ジャンプ・コミックス)
仏ゾーン (1) (ジャンプ・コミックス)