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「皇国の守護者」佐藤大輔、伊藤悠

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

ウルトラジャンプという少しマニアックな雑誌で連載され、一度立ち読みしてびびっときて一巻を購入。その面白さに興奮したが、近くの本屋での扱い(置いていない、新刊がない)に嘆き、これが打ち切られたらと哀しくなった。しかし、今月のウルトラジャンプの表紙を飾り、近所の本屋でも1巻から平積みされてたり、4巻発売日から直ぐにブログに感想が現れるなど、少し安心していいのかなと思ってきた。何と言っても面白いのだ。後は知名度だけだ。


4巻では、新城直衛指揮する<皇国>第十一大隊とユーリア率いる<帝国>軍の北領における戦闘が終結する。
絶望的戦力下において、清濁を併せ持つ有能な指揮官による戦争、という要するに賢い戦略がうまくいったりいかなかったりして、ドキドキしたり、やった!という気持ちになって楽しいという楽しさ。うーん、説明不足。だが、そういう基本的な楽しさを骨格に、主人公新城の冷静冷酷のようで、でもそれは強力すぎる客観能力と意志力で、己を操っているに過ぎなくて、程よく壊れてたりとか、説明はようせんけど魅力的な人間達が映える。生きる。


4巻では、1巻から続く新城の戦争が一旦終わることもあり、絶望的な当初の予定どおり(忘れていたが)、いろんな人が死ぬ。この唐突さ、危うさも魅力だと思う。そんな風に移入しているなか、見開きの咆哮で始まる戦闘シーンは震えた。狂気の描写や、情的な台詞や、詩的(皮肉な?)なモノローグや、残酷な絵、かっこいい絵など、それぞれが行き過ぎず協調しているのがいいんだろうな。何事もバランスだ。


粗筋を思い出すために3巻の途中から一気に読んだら凄い効いた。これ面白いわー。