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「さらば、サルマタンX」ニットキャップシアター音楽と笑いの夜vol.5  

ニットキャップシアターの看板でもあった板橋薔薇之介さんが退団され、その最後の公演となった。今後、活動を東京に移されるそうだ。

エネルギーをほどばしらせてるような役者さんで、その人が京都で見れなくなるのはとても寂しいが、是非有名になってそこら中で彼の姿が見れるようになってほしい。


その人の魅力が爆発したような公演だった。まさに下ネタってエロとウンコなんだなということを再確認するようなハチャメチャなストーリーと役者さんの力の入った演技は、最高に良かった。大好きだ。こういうの。

あらすじ
二話構成で、主人公が中学生のとき、エロ本を探しに来た山で、変態三姉妹に捕まり下垂体をいじられ勃起しつづける突起物ある抱き枕にされ、逃げ出したところで山の博士に助けられた過去を思い出し、サルマタンXとして20年後に変態三姉妹と再び戦う第1話「サルマタンX誕生秘話〜ケガレへの道〜」と、小学校のころ、主人公に学校でウンコをしたことでからかわれいじめれれた同級生が30年間ウンコをせず、ドクターベンとして復讐のために主人公の前に姿を現した第二話「サルマタンX vs ドクターベン 〜こだわりすぎた男達〜」。

まさに直球の芝居だったと思う。ヒーローパロディとしての盛り上がり、そのままな下ネタ、そして劇団らしいシュールさと小さい人間っぽさ。そして主人公の妻役と、ドクターベンにさらわれた女の子役のかけていた赤いセルフレームのメガネ。しかもよく似合っとる。素晴らしいエンタテイメントだった。


あと、これはニットキャップシアターからのハナムケなのだと思った。「誰かに気を遣ったり、つまらない集団意識に囚われないで、欲しいものを欲しいといって突き進めばいい」。一話のラストで主人公が決意する「望むままを行なう」*1ということ、二話で、皆が声を揃えて言う「うんこは誰でもすること!恥ずかしくない」という台詞からなんとなくそう思った。


あと、日替わりゲストでちょっとだけ出てきたピースピットという劇団の末満健一さんは、ウンコとして出てきて「我輩はウンコである」という物語を紙4枚分朗読して去っていった。名前のないウンコが、主人を探して、ヘンゼルとグレーテルの森のうんこの家やチャーリーとチョコレート工場やアルプスのウンコのところに行く話。滅茶苦茶面白かったけど、本当にくだらない。何回ウンコ言うんだ。下ネタとは何ぞやというのが分かった気になった。


「我輩はウンコである」もそうだが、今回で板橋薔薇之介さんはいなくなるし、この芝居は、今この日しか見れないんだということを強く意識した。映画や本とは違うのだ。なるべく多くの人とこの面白さを共有したいなぁと見ながら思った。皆、ほんとに見てみれって。明日もあるから。

公演情報:http://knitcap.jp/conte/vol_5/kouen_5.html
劇団HP:http://knitcap.jp/