白飯

好きな物100

野上鳴「アラカワファントム」

立ち読みって書いてあるから、少しだけかと思って、雰囲気だけ読んでみようと思ったら、全部読んでしまった。話は、車上生活をする姉のヒモに姉に言われて弁当を運んでた妹、それがヒモが突然蒸発して、友人と一緒に探したり、といった話で、ずーっと平坦な日常や回想みたいなもので綴られるのだけど、文章のテンポみたいなのがあって、それとだるい会話のセンスなんかも好みだったのか、一気に読めた。集中して読んだせいか、後半のクライマックスで姉が涙ぐむシーンは、なんか、想像されてグッと何か来た。殺人も血もエロも謎もなかったけど、楽しく読み薦められたのは新しい可能性というか発見。状況描写というかシーンを想像できる感じが良かったと思う。