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四日間の奇蹟

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

車内で読むためにわざわざ買った本。前にも平ヅミしてあるのを見てて、それなりに面白いんだろうと思って買った。期待はしないけど、泣かせてほしいと思った。大きな展開があるわけではないのに、読みやすい。読ませる作家だなあと思った。

あらすじ
ある事件で指を失った元ピアニスト、その事件に関り、今はピアニストと共に暮らす脳に障害を持った少女。少女は天才的な音の記憶力を持ち、ピアノを弾いてまわっていた。山奥の、どこにも行き場のない体に障害や傷を負った人たちとその家族が暮らす診療所で、お話は起こる。

あらすじに書いてあったけれども、ストーリーの主軸となる要素は、前に読んだ東野圭吾の小説にも出てきたもので、途中で予想がついたりした。それでも「このミステリーがすごい」大賞に選ばれたのは伊達じゃないと思うほど、気持ちよく読めた。純真な知的障害の女の子と、クールな元エリートピアニストの青年が献身的な愛情とくれば、多数の人がぐっとくるのではないだろうか。レオン見てないけど、多分同じシステムだと思う。前にも書いたけど、障害者を純真妄想全開で描いたものは、まだ少し抵抗があったけど、障害が無くても子供とか純真妄想MAXで描かれたものを喜んで読んでるなと思って、お話はそういうもんだと割り切って気にしないようにして読んだ。十分、少女は可愛らしく、青年の愛情も伝わってきた。

障害を持つ人や、その家族の苦労の話とか出てくるけど、メインの話はそこで働く一人の女性の人生で、傷ついてしまった人が、それでも生きること、苦しくて気づかないかもしれないけど幸せはそこにあるかもしれないこと、とかそんなことをいってるように感じた。

展開が悲しみを帯びてきたころに、海が見えてきて、今から思えば、いい演出だったなと今思う。