白飯

好きな物100

江戸時代なら打ち首獄門

いつでも捜しているよ どっかに君の姿を
向いのホーム 路地裏の窓
こんなとこにいるはずもないのに


今日、会社で傘を盗まれた。今期三本目だ。朝は降ってなかったが、夕方からはめちゃ降るよ、ということだったので、持ってきた傘だ。65cmかと思っていたら、70cmだった大きな傘だ。透明なビニール傘で、柄は黒い。ビニール傘なので間違えられやすいので、柄の先の所に緑のカラーテープで目印をつけていたつもりだった。帰り際に、傘置き場をみたらなくなっていた。まさか、そんなことが、と探してみたが見つからず、たまたま側にいた優しい後輩が、持っていた折りたたみ傘を貸してくれなかったら、僕は近所のコンビニまで走っていただろう。
似た傘は、そこに二本あった。しかし、一本は、黒い柄に穴が開いていてキーホルダーがついている。もう一本は、特に印はないが、開くとさびと汚れが目立つ。間違えるはずはない。
許せぬ。
怒りだ、怒りしかない。
江戸時代、火事場泥棒は打ち首獄門だった。大変なときに乗じて利益を得ようとする輩は死んだ方が良いということだ。雨が降って、そのときに傘がない、自分がその立場にありながら、誰かから奪ってでも助かろうとする傘泥棒が、会社にいることが悲しい。ということを過去二回盗まれたときに言い聞かせた別の後輩に、「寮生に上の特徴の傘を持っているヤツがいたら報告するように。殴打可」というメールをしておいた。後輩からは「無傷で目の前に連れて行きます」という頼もしいメールが帰ってきた。「この世は闇だ」という返信をしておいた。
普段、怒ると言うことがあまりないためか、怒るのに慣れてない。こんな些細なことでも怒りを発散したくてしょうがなくなる。甘美な憎しみにあらがうことの難しさよ。

子曰く、傘を盗んだヤツは、水たまりに跪かせて、その水でうがいをさせなさい。
神の子は言う、そいつの靴下を水たまりでしゃぶしゃぶして食べさせなさい。食べきるまで許さない。
雨の中、緑のテープのついた傘をもって友達と歩いているそいつに近づいて、「その傘、僕のですよ」といって有無を言わせずに傘をとりあげて、「傘を貸してください」というそいつに、「嫌です」といいたい。そして、雨の中説教したい。

放っておくと暗い想像が巡るので、この日記に書いて終わりにしようと思った。次から傘は名前くらい書いておかんといかんな。でもできれば、名前じゃなくて、「これはお前のではない」って書いておきたい。それと傘置き場に張り込んで、現行犯逮捕したい気持ちが自分内衆議院は通過してしまうほどになってきたので、気を付けていきたい。
ということで、はい、終わり! 憎しみ終了。来週あったら、笑顔で、「全然気にしてないです」と小一時間問い詰めたい