パーフェクト・プラン 柳原 慧
- 作者: 柳原慧
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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内容(「MARC」データベースより)
「身代金ゼロ!せしめる金は5億円!」 誰も殺さない誰も損をしない。ネット・トレーディング、ハッカー、代理母など、今日的アイテムを盛り込んだ誘拐ミステリー。第2回「このミステリーがすごい!」大賞、大賞受賞作品。
前半、着々と作戦を進める誘拐チームや、それに踊らされる誘拐された子供の親や警察に、それらを不気味に見守る第三者のハッカーら登場人物達が、各々の力を発揮させて、各人が描いた狙い通りにことが運んでいく様子が楽しく見れる。そして後半、各々の思惑が外れて、みんな独走暴走してく様が、先を見えなくして読ませる。散りばめられたキーワードと、各人の雑惑が良作だと思った。
でも、広がりを見せようと思った世界が思ったより広がらず、どこかに収束するほど深くも掘り下げないので、少し物足りない印象が最後まで残った。後半の各人の暴走でもっといくとこまでいってれば良かった気がする。あといろいろ突っ込み所というか、違和感を感じる部分が多いのも悔やまれる。少なくとも「誰も損をしない」わけではないだろうに。
作者は新人さんかと思いきや、アマゾンで見たら、かなり壮年の人だった。そこの作者コメントで
マンガみたいな小説が書けないかな。展開が早く、するする読めて、途中でやめられなくなるような。そんな思いで取り組んだのが『パーフェクト・プラン』です。
とあった。なるほど。もとより、重く深くするつもりはなかったんだな。2時間ドラマ向け?