白飯

好きな物100

 大人になること。正しさの基準を外側でなく、自分の中心に据えること。

うつくしい子ども

うつくしい子ども


少しずつ読んでた本「うつくしい子供」を読んだら、止まらなくなって一時過ぎになってしまった。作者は池袋ウエストゲートパークやらが有名な石田衣良さん。こういう賢い子供が出てくる話が好きなのもあるが、とても良かった。

お話は少女の殺人事件から始まり、殺人犯の動機探しを軸に、殺人犯の家族の様子やら、そして主人公の少年の心情や周囲が描かれる。

物語では、主人公の少年達が、どこかで決められた習慣や常識に従うことに、コンプレックスを抱えることや、事件に関ることで疑問を感じながらも生きていく姿が描かれていると思った。多くの人が、他の人と同じように生きようとする中で、本当に自分自身で考え生きてないということは、自分自身に感じられたので、そんな中でも正しく生きようとしている少年少女の姿はとても眩しく良いものに思えた。結局の所、大人になるにつれ、周りに合わせたり、難しい問題に直面して自分ひとりで処理できないことが多くなってくるとは思う。それでもやっぱり、生きていく中で、自分自身で感じて、正しいことを選択していくことを忘れちゃいかんのだなと思った。こういう大人にならなきゃな、と思ったが、自分の年齢的には大人になってなあかんことに今更気付いた。忘れてた。

これで、宮部みゆき東野圭吾に続いて、マイベスト作家の3人目に加わった。3人とも世間でも認められてる人々で、やっぱり多くの人に選ばれる人ってのは、実力あるなあと思った。「池袋WGP」や「波の上の魔術師」がドラマ化されてるんだから、これもしていいんじゃないかと思ったが、主役の中学生達を誰がやるんだろう、とか思うと無理に思えてきた。実際問題、こんな「良い子」たちはいないんかなあ。