白飯

好きな物100

ベルセルク

最近、映画(http://www.berserkfilm.com/index_1.php)を見に行ってから何度目かの再読をしているが、何度読んでも面白い。
ダイナミックかつ丁寧に物語が積み上げられていく様を見ていると、プロフェッショナルの御業にほれぼれする。奇をてらった設定や話作りでは到達できない「本物」を感じる。

特に黄金時代編は、既に因果の定まった物語を読んでいるのにわくわくしたりするのは何なんだ。映画は黄金時代編を三つに分けてるのでどうしても盛り上がりの少ないところもあるだろうと思ったが十分楽しめた。単純に、人が自分の能力を生かして、勝ち上がっていき幸せになるサクセスストーリーが好きすぎるのかもしれない。
あと何度も読み返していることで、過去と未来を同時に知っている、いわばゴッドハンドやその上位存在のような立場にいるわけで、多分過去の1シーンを見ながら、それと未来にあたる1シーンを思い返して、それが繋がっているとか、対照的であるとか、そういう見方を面白がっている部分もあると思った。アニメ版は、1話で伯爵と戦う黒い剣士をやって、2話から過去に飛ぶという構成だったが、あれはツボだった。絶望と怒りが真っ黒なカッコよさのあと、黄金時代のさわやかさが、物語を際立たせる。

現状、マンガ連載では、13巻のどん底から這い上がってきて、救いのない絶望の世界が少しずつ温かみを帯びてしまっている。これは恐ろしい。これから先の因果は僕にはわからず、しかし物語の構成としては2回目の絶望がいずれくるだろうと予感できるからだ。絶望で終わる物語ではないとは思うけれど、幸せになってほしい人たちがそのまま幸せに生きられる物語でもないと思う。