水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪
また意味わかんないタイトルで、でもその辺がまたよさげだなあと感心してたら、結構物語の内容に絡んでた。そんな感じで、鬱屈して閉塞した感じの物語が平行して進むのだけど、最後は伏線が収束して、ぼーっと読み進めてた僕はそれに十分驚いたし、話もうまくまとまってた気がした。
出版社/著者からの内容紹介
“記憶”と“密室”と“悪意”の三重奏(トリオ)。
主題(テーマ)は“純愛”。
戦慄の鏡家サーガ!
お祭り騒ぎは、もうお終い。
今回は愛をめぐる3つの物語だ。
暗澹(あんたん)たる日々に埋もれた無様な青年。
悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。
密室情況の屋敷の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。
それは歪んでいて、壊れていて、間違っている。
でも確かに愛の物語なのだ。
俺は行動を開始した。
その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。
そして、その果てに浮かび上がる真相。
そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。
前の二作と読んだ雰囲気は似てる。まさに暗澹とした主人公と周りの世界が語られてて、最後には、それらの圧倒的救済とかいう感じで読者(僕)は救われないようでいて救われる。今回の暗澹とした世界は、なんか自分にもあるような部分があって、取り込まれてはいけないと思った。中盤になって物語が動き出していくと、連続する暗くもったいぶった言い回しが心地よくなってどんどん読めた。また次のも読もう。