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オーデュポンの祈り 伊坂幸太郎

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

内容(「MARC」データベースより)
警察から逃げる途中で気を失った伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。翌日、島の預言者・喋るカカシが死体となって発見される。未来を見通せるはずのカカシが、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?

もう少しつけ加えると、この島は本土と隔離されていて見つかっていない。人たちは島独自の規範にのっとって暮らしているという設定。かかしは喋るし、他にも不思議な人がたくさん登場するけれど、主人公がそのリアリズムのなさに少しずつ慣れていくように、不思議をそのまま受け入れて読んでいった。文章は主に主人公の一人称で、あっさりしててやさしい感じ。ばらばらに提示されていく謎も最後に収束していく。

島の人たちとの会話や、主人公の穏やかな視線や考えが気持ちよくて、その辺がさくさく読めた理由だと思う。登場人物のイメージがわかりやすく入ってきて、楽しく読めた。面白かった。