五山の送り火
五山の送り火とは、京都の山に突然「大」「妙」「法」また「大」そして、鳥居の形が、火によって描かれる行事で、なぜ火が山に現われるのか、諸説ぷんぷんだが「天空から現われる精霊*1のいたずら」という説が有力であるようなないような。幸運なことにベランダから大の文字が現われるのを観測できた。マンションを出て、川べりの方まで行くと、左大文字と鳥居形も見れた。
はしゃぎながら連続して張り付いていく精霊達。山は熱いのを耐えている。
大の字の形に落ち着いた。美しい。(あと、こっちからみると「k」に見えるが、日本好きの外国人が殺されダイイングメッセージで残した文字が「k」、それがこの辺りから見た「大」だと気付いた探偵は……みたいなミステリとかトリックとか誰か作ってくれないかなあと思った)
川の方に行くとたくさん人がいた。左大文字と鳥居の形が見えた。
左大文字。既に山肌に定着している。
突如、夜空に噴き上がる炎。大の字が踊りながら、そらに昇っていく感じ。
炎は、空中で龍のような形をとった後、消えていった。送り火の名にふさわしい。大勢の魂を精霊が連れて行ったのだと僕は思っている。
鳥居形は、近くなのではっきりと見えた。
山肌に張り付いた鳥居と、幽かに空に浮かぶ鳥居が見える。
現われたのは、闇夜に浮かぶ門。そこから出て行くのか、そこに入っていくのか。もしも魂が見えたなら、門を起点とする魂の奔流のようなものが見えたのではないだろうか。
京都にきて4年くらいか。初めてちゃんと五山の送り火を見た。なかなか臨場感があったし、風情があったと思った。盆の終わり、を感じさせる何かがあった。
あと、みんな夜景をどうやってとってるのかと気になった。三脚か。そうか。撮影設定で「手ブレ補正−オート」に設定しても設定しても「手ブレ補正−なし」に戻っているのも僕の知らない何かがあるのだろう。僕には知らないことがたくさんある、それを再認識した夏だった。
*1:サラマンダー