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エヴァンゲリオン新劇場版・破

エヴァンゲリオンの劇場版四部作の二つ目。あまりの高評価に見に行ってしまった。最初は見に行くつもりはなかったのでネタバレ感想を読んでいたため、誰かの感想を追体験するという新しい感じだった。それでも面白かった。
以下、ネタバレも辞さぬ覚悟で。


怪獣と巨大ロボットが街をぶっ壊しながら、スケール高らかに喧嘩する話。熱かった。これは一体どういう意味が……とか、ゼーレって?使徒って?シナリオなの?とか、あんまり深く考えずに、かっこよさそれっぽさのガジェットとしてだけ機能させて、メインのウネウネ動く体とかビームがドバァと出たり、ATフィールドをばりばり壊したりするのを眺めることができた。多分、この劇場版の力というよりは、前作や最初のブームからあれこれ言われてた前情報の多さによるものなんだろうな。
僕が読んだ感想の、スベリ気味の演出やらベタなのか何なのかの挿入歌という考察をなるほどなと感じ、二号機パイロットのアスカが独りじゃないんだこれから楽しいこといっぱいあるんだねと演出された直後の惨劇にやめてくれーと震えたし、最後のバカ強い使徒への自爆攻撃から、司令部まで使徒が出てきて絶体絶命でドグワと初号機が出てくるところとかのアクションなんかは所有したい、そして何度も見たいと思わせたので、概ね他人の感想をなぞっていた。単純だ。
新劇場版は旧作のエヴァンゲリオンの二週目で、こうパラレルワールドのように繰り返されている世界だという考察があるらしい。感想で知った。たしかに最後のシーンの台詞「今度は…救ってみせる」というのはそういう風に思える。旧作と細部で異なる展開になっているのもそれっぽい。ゲームやらマンガやら謎本やら二次創作やらエロ同人まで含めると凄い数のパロディ(語り直し)が行われている中で、いわば正伝であるはずの新劇場版が、旧作は旧作であって、旧作の語り直しなんだよと言ってるようで面白かった。他のみんなと同じ立場だという。
そういうメタなとらえ方をすると、最初の五号機と使徒の戦闘後の、「大人の事情に、子供を巻き込むのは心苦しいな」とその子供である搭乗者である新キャラメガネの「子供の事情に、大人を付き合わせるのは忍びないな」という対照的な台詞は、大人の事情(エヴァンゲリオンでもう一儲け)の為に子供(レイアスカ好きだ! 熱いアクション! 巨大ロボット最高! 怪獣! 破壊! メガネ!)を騙すことと、子供の事情(怪獣が都市をぶっ壊すところ創りたい! 巨大ロボットをクネクネ、獣的に動かたい! 血とかにまみれさしたい!)の為に、大人(スポンサー、テレビ屋、ゲーム屋、出版社もろもろ)を動かしてしまうのは忍びない、というようにとれて面白かった。