白飯

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夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

文庫になってたのを見て衝動買い。楽しかった。主人公の「先輩」はいつも同じだなあと思うけれども、今回はもう一人の主人公の女の子の視点があったのが新鮮だった。いつもそういう感じなのかな。何度も同じテーマで少しずつ変えて書くというスタイルなのか。そういえば今回は主人公も結構がんばってた気がする。
相も変わらず、という印象をいつも抱くのだけど、相も変わらず面白いのですごい。ルサンチマン、京都の町、大学生活、目に映るあれこれを綺麗に楽しくおかしく描く丁寧さというかにじみでる上品さが心地よい。京都に住んでるけど、そんなにいいところかなあ、と疑問に思ったりするのだけど小説の中ではとても楽しそうで綺麗で、夜を歩いてみたいと思うほど幻想的だった。これがファンタジーかと、思い至った。
巻末に羽海野チカのかいせつというか挿絵が載ってるのだけど、そこに描かれた美形の樋口氏を見て、こういう解釈もあるのかと面白く思った。僕の中では樋口さんはそのままこんな感じ。