ニットキャップシアター「愛のテール」
そこに男の人がいて
http://knitcap.jp/23rd/index.html
私は女で 愛し合って 死んでゆく
ただそれだけのことを一生懸命すればいい
私は本当の馬鹿になりたい
再演。初演も見たが、ギリギリDVD化されとらんので、また見たかった。かなり期待して見に行ったのだが、期待以上だった。初演の頃に居た人達はいなくなってしまったけど、やっぱり元気でたよ! 楽しかった。
交通事故で顔に傷を負った女の子が、部屋に引き篭もる。6年同棲していた彼氏は女の子に結婚を申し込む。彼氏は優しく、女の子も彼氏の事が好きだけども、彼氏が今になって結婚しようといったのは、自分がかわいそうな人間になってしまったからなのかと女の子は悩み、夜は若い母が歌っていたちあきなおみの喝采を手掛かりにちあきなおみの国を想像する。
物語は、暗い「現実」パートと、ひたすらにバカバカしい「ちあきなおみの国」パートが錯綜して進む。「現実」パートの女の子と、彼氏と家族のすれちがいっぷりが、リアルだ。女の子は、自分の感じる変わってしまった愛(愛のしっぽ)について話せない。女の子を心配して、結婚について着々と進めていく彼氏とか、現実的な父親とか弟とか、唯一女の子に一番近い母親とか、誰も間違ってないと思うけど、圧倒的にわかりあえてない。この辺り最近になってよく分かる気がする。
「ちあきなおみの国」パートは清清しくバカバカしい。聖アスパラガス高校ラグビー部主将二階堂先輩を初めとした魅力的かつバカバカしいキャラクターを力のある人達が真剣にやるとすごいな。やり切った感とか完成度がすごいので、例え周囲にうけてなくても、気持ちが良い。「ちあきなおみの国」には女王ちあきなおみがいて姫が居る。姫は本当の愛を知る為に、男達に乳を触らせて、埋める。一人、また一人、聖アスパラガス高校ラグビー部員達は埋められていくが、ついに聖アスパラガス高校ラグビー部主将二階堂駿がいけにえに選ばれる……。不思議の国のアリスみたいなもんか、不条理で世界観なんて勢いだけだが、頭の悪い女の子の妄想なので、それはいいのだろう。不思議だなと思う前に笑ってるので問題なかった。あー楽しかった。
ひたすらに暗い雰囲気の「現実」パートだけど、初演よりも言葉や状況を飲み込みやすく、女の子の決断を見守れた。何が正解かとかはわからんけど、ラストはよかった。元気出る。
皆見たらいいよ! 20日までやってるよ。東京公演もあるらしいよ!