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「The BOOK」乙一

The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜

The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜

皆大絶賛のジョジョ第四部ノベライズ。僕も大絶賛。ディ・モールト良し。
ジョジョファンである作者が5年間かけて2000枚以上書き直して書いたという。ジョジョ立ちの人もそうだけど、ジョジョファンの人は、ジョジョ及び荒木先生への敬意が行動に現れていて気持ちが良い。藤子F先生について語る藤子Fファンがとても優しく見えるように。


同時進行で複数の視点の物語が語られていくのだけど、退屈せずにそれぞれの物語を楽しめた。謎の明かされ方、展開ともに僕にとっては丁度良かった。僕は少なくとも、ずっと「ジョジョの奇妙な冒険」の物語であるという意識で読めた。作中で「言葉」と「記憶」についてのくだりがある。「記憶」を「言葉」に変換するとなると、情報量を保存するために莫大な「言葉」が必要に思えるけれども、「言葉」がキーとなって五感や思考(「記憶」)を想起させるのであれば、小説のような「言葉」でも「記憶」を再現することができる。読んでてこれはこの小説にそのまま当てはまると思った。僕は読みながらジョジョの情景を思い起こせたのだよ。ベネ。


ちょっとノベライズについての認識を改めた。漫画に忠実な世界にしようとしたら物凄く大変だけど、それで出来上がってもファンの批判は覚悟しなくちゃならんし、漫画より低い位置に見られるしで、あんまり良い事ない。全くなんて誇り高い創作なんだ!