白飯

好きな物100

夜に散歩しないかね

人の出会いとは重力だと、かの神父は言った。
セブンイレブンに滞納していた電話料金を払いに行ったら、丁度帰り際の会社の同期と会った。その後、明後日行く演劇のチケットの代金を払い込もうとしたら、機械で出来なくて、ファミリーマートと間違えたかと、ファミリーマートに向かうがやっぱりできないので、部屋に一旦帰って調べてみたらやっぱりセブンイレブンで直接店員さんに言うらしい。またセブンイレブンに戻ったら、丁度僕が自転車でついたときに、バイクがブォンと止まって、気にせずに入ってカウンターに向かうと、後ろからバイクの主の別の同期に声をかけられた。彼は病院に行ってたらしい。偶然は重なるなあと思いつつ、お金を払い、外に出て自転車のカギをカチャカチャやってたら、知った顔が歩いてきて、そいつが、半年以上あってない神戸大学合気道部の同期なのに気付いて驚いた。二度ある事は三度ある。ふとしたタイミングで惑星は直列する。


でも実はやっぱり、そんな大袈裟な事でもなく、二人の会社の同期は同じ寮に住んでいるのだし、その合気道部時代の同期に関しては、最寄り駅が一緒だったというだけで、しかもその事自体は前に聞いていて忘れていただけでもある。必然なる偶然。だが、普段行かない場所にたまたま行って、そこで出会うというシチュエーションに、人は重力を感じてしまうのだなあと思った。そういえば、今日の会社の帰り際によったローソンの気持ちの良い好青年だと僕が思っているバイトの人が、レジに通し忘れて値段を安めに間違えていて、僕が穏やかに指摘して、少し照れてすいませんといいながら(イメージの上で)頭をかくバイトの人を見て、ちょっと優しいコミュニケーションを感じて嬉しくなったという出来事が、この偶然に結びつけられて、この夜を特別に演出してしまう。少し良い夜にしてしまう。特別感てのは、こうやってできるのか。劇的なドラマなどいらないのかもしれん。


あと、その久しぶりにあった男は、合気道をずっと続けていて、また水曜日から海外に武者修行に行くという。半年間。なんかずっとでかくなり続けているような気がする。突き抜けている。どこまで行くんだ。