「山」売込隊ビーム
あらすじ
演劇の公演をネット配信することにしたある劇団が山小屋にこもって練習をしていた。ある嵐の夜に、登山グループがたずねてきて……。
山小屋で起きる事件と、登山グループに起こった事件が独自に進行しながら、登場人物達が交錯する、ドタバタ純愛コメディみたいなかんじ。
前の公演を見たときにも思ったけど、キャラクタをしっかり出来てて、見てて安心できる。まだこの劇団を見て二回目だけど、ヨーロッパ企画のように役者毎にある程度持ちキャラが決まってるような気もする。でも、前回「よせばいいのに」では東京のやり手のコンサルタント役の人が、今回は座長で子供のような後先考えないダメ男だったのだが、どちらも良く合ってて、巧いなあと思った。この座長が10秒先のことや、反論を考えずに発言するのがとても面白かった。漫画的。
笑いの密度が高くて、常に誰かがツッコミを入れている状況。それでも暗転は少なく、沢山の人間がずっと舞台に出ずっぱりになってるのに関わらず、流れに異常がないのは、それぞれの役者の動きとか、会話が考えられているからだなと思った。いくつか、「面白い台詞」がタイミングが遅かったりして、もったいないようなところがあったが、しょうがない取りこぼしなのかもしれない。そういうのもゴリ押しでいける役者の巧さと、実際にリズムが合って面白いところの畳みかけなど凄いなあと思った。
ダンスや回想の入れ方とか、伏線とかもうまく回収されてる脚本だったけど、意外性などには少し欠けるような気がした。新喜劇のような感じ。ベタだけど面白い。案外、そっちの方が高レベルな気もする。
でも面白かった。見る前は凄く眠くて、二時間とかしんどいなあと思ってたけど、あっという間に終わった。ずっと楽しめるという感じ。