白飯

好きな物100

第5回

今日は、講師に田辺剛さんを迎えて、脚本の読み方講座の二回目を行なった。
一回目は出てないので、少し不安がある。

脚本の読み方ということで、国語の授業みたいなのを想像してたが全然違った。まず机なしで、皆椅子を丸く囲んでの座談会形式でスタート。

最初は,少し遅れてくる人間を待ちながら、脚本と小説などの本との違いなどについて,田辺さんから話を聞いた。

聞いた話は…

まず脚本と他の小説などとの違いは、まず情報量の違いにあるということ。ト書きはあるが、小説などのように細かい描写はまずない。基本的に情報としてあるのは会話、話す言葉だけである。
その言葉にしても、演技によって意味が全然違ってくるということに併せて、役者の気をつけるべき「視線」と「姿勢」について教えてもらった。基本的なことなのだろうが、それゆえに重要で忘れがちになりそうだ。覚えておこうと思った。

そのような情報量が少ない脚本をどう読むか? 田辺さんが言われたのは、「想像して読む」ということだ。

言われてみれば当たり前だが、行間を読むとか心情を類推するとかに関してのテクニック的なものを期待していた僕にとっては目からウロコであった。

そのような話の後にやったのは、脚本を読みながら実際に舞台を見立てて動いて見ること。適当に役をあてたあと脚本を読みながら、実際の位置に立って見たり、動いて見たりする。

それだけでも、ただ脚本を読むよりも、情況や人物について想像することが容易に出来た。皆棒読みで、特に感情を込めて読んではいないが、この場面はこんな感じだろうなとか、こういう風に言いそうだなとか考えることが出来たと思う。


あと、田辺さんが言われていたのは、一つの場面、台詞でも何パターンも想像しておくことが大事だということだ。その最後の決定権は、普通演出が持つのだけど、役者が10しか想像できなかった演劇より、役者が100想像した演劇のほうが、豊かなものになるという。


なるほどと思って、この講義以降、もらった候補脚本を読み直してみたのだけど、これは結構しんどいなと思った。読むのに時間がかかる。
でも、こういう作業が演劇を作っていくのだと思うと、何だかやる気が出るというか、楽しいような気がしてきた。