白飯

好きな物100

月光斜「SAKURA」

昔好きだった女「さくら」と、その子を守るために打った刀「桜」、そしてそれらを失った日から3年後、男は、再び「桜」を持った「サクラ」と名乗る女と出会う。というあだち充っぽい設定の、戦国時代の終盤辺りの和風ファンタジー


散りばめられたギャグが一つも面白くなく、主人公の演技と声がいまいちでのれない。さらに役者の友人らしき数人が、ちょっと面白めの動き(白目をむく等)に対して、いちいちバカうけするという最悪の構図であった。それでもきっと役者さんが下手だというわけでもなく、ギャグは面白くなかったが、子供みたいな殿様役の女の子は爺さんを可愛く演じていたように思う。話より、そこに楽しみを見出そうとしていたのだが、早々に爺さんは死んでしまい、がっかりする。


それでも、衣装はしっかりしていたので、刀を持った場面は雰囲気が出た。特に、終盤、諸悪の元凶であったマッドな人斬りが本性を現したところは、役者さんの技量とキャラクタが上手く出ていて、とてもよかった。そこで挿入されたダンスもカッコよかった。とにかく刀を構える人間を、僕は好きすぎる。主人公との斬り合いと、予想できたが最後のオチまではそれでよかったと思う。勝手に想像すると、最後のカタルシスのイメージに関して先にあって、それらしくストーリーをつけたという感じがした。それなら、もっとストーリーは要らない部分を削って、30分くらいの短編にした方が楽しめたように思う。