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アストラルエンジン

アストラルエンジン 上巻 (ジャンプコミックス)

アストラルエンジン 上巻 (ジャンプコミックス)

 文明崩壊後の水没した世界で謎多き機械の少女と出会うアクティブな少年というありがちな設定だが、そのありがちな物語を、かわいくかっこよくコミカルに仕上げてて非常に好きな世界だった。

しかし僕の高評価にも関わらず打ち切り作品のようで、一巻(上巻)が出たときには既に連載されていない。巻末おまけの世界設定説明における過去形、文末の「…」に滲む未練と諦観が痛々しい。

ネット上の反応はどうかというと、好きだという人がいるものの盛り上がりはイマイチで、キャラデザインのパクリ疑惑なんかも出ててしかもその疑惑さえも盛り上がってない。

しかし河原町の本屋では平積みされていて、シャープな絵柄とジャンプコミックスなのにいきなり”上巻”という打ち切り臭に惹かれて買った。でも近くの本屋には全然置いておらず、下巻を買うのは苦労した。

リアルでもネットでも知られず、どうしようもなく消え行く運命というものを感じさせる。


仏ゾーンのことを思い出した。打ち切り作品の放つ刹那の歪な光というか、長く続いたシャーマンキングよりも、思い入れも深く好きな作品だ。もちろんちゃんと続いて欲しかったのだけど。

縁あって運よく読むことができたこのマンガも、一層深く僕の記憶に残るだろうと思う。僕が覚えている。どうか成仏してくれ。