白飯

好きな物100

キッズ アー オールライト

キッズ・アー・オールライト

キッズ・アー・オールライト

こないだ読んだ「BGM」の作者が文藝賞をとったやつ。

ケンカが強くて,頭が切れて,周囲の不良や人間を冷ややかに,冷静に見ているけど、人の痛みには鈍感で、自分の思うとおりに行動して、でも自分の周囲の親や恋人や友人はとりあえず守ろうとするようなヤクザの息子の不良の高校生の、田舎町を舞台に,いかれた人間に囲まれて、さらにヤクザと揉め事を起こしてしまって、それでも飄々と冷静に時に策を巡らしながら、人を殴って、恋人とセックスして生きていような話。


頭がオカシイ人間やら、一人称なのにあんまり考えてることを教えてくれなくて行動に迷いがない主人公らのせいで,展開が速く次に何が起こるかわからない。読みやすくて、面白かった。

展開の速さ,先の読めなさ,やたら出る暴力描写は舞城王太郎とか戸梶圭太に似ているとおもった。こういうの最初に読んだのはバトルロワイヤルだろうか。こういうジャンルが流行なのか昔からあるのか、とにかくあることを知って、僕の狭い読書世界にとっては衝撃的な感じだった。大きな謎、小さな謎がどんどん提出されて、解答が用意されて、真相が明らかになって、頭のおかしい人間が暴れて、前提がくつがえされて、血が飛んで、人間味のない人間性がでも生々しくて、なんか読みやすい。ただ疾走したまま、どこいったか分からんうちに終わるのが多い気がするなあ。