白飯

好きな物100

キレイ

2000年に別のキャストで行った大人計画初のミュージカルの再演。

三つの民族による民族紛争が続くもう一つの日本で、10年間地下に監禁されていた少女が地上に出る。記憶をなくしケガレと名乗り,戦場で,大豆で出来た大豆兵の死体回収業を営むカネコ一家に加わり、ダイダイ食品の社長令嬢と知り合い、それからいろいろあって。過去と未来と現在が交錯する中、ケガレは、忘れたはずの忌まわしい過去と対決してゆくこととなる。

大きな劇場の演劇を見に行くのは初めて。高いから。でも楽しい三時間半だった。ミュージカルと聞いて不安だったけど、音楽もダンスも楽しくて哀しく盛り上げて、物語の進行を妨げない。むしろ舞台に入り込みやすくなってたと思う。

一番後ろの席だったけど,客席は急傾斜になっていて舞台は良く見える。声もマイクとか使ってるように十分聞き取れた。ただ、役者さんの顔は全然見えなくて、本当に高岡早紀が出てるのかもわからない。パンフレットで稽古中の様子とか見ると、面白い顔しててやっぱり役者の表情とかも見たかった。でも見てる間は十分楽しめたと思う。

思ったよりも、くだらない笑いがたくさん盛り込まれていた。クスクスくるようなのが散りばめられてて、大きな劇場で、細かい動きとかしょーもないギャグで笑いをとろうとしてる。役者さんは皆面白かったけど、宮藤官九郎とか松尾スズキとか、やっぱり良かった。動きとセリフがなんか、自分の中にあるからか、あるべき形にまとまってる感じ。良くわからんけど。社長令嬢の秋山奈津子という人と、ハリコナという主人公ケガレの夫となる男を演じた安部サダヲと岡本健一は、役柄も含めて一番好きだった。シリアスな部分とズレた可笑しさの部分がごく自然に共存してて魅力的なキャラクタが生まれている。急遽、酒井若菜から交代した鈴木ランランも久しぶりに見たら綺麗に可愛くなってた。「これが雨?覚えた。キャハ」というのが可愛くて、10回くらい聞きたかった。でも、いまいちキャラクタがつかめないというか、そういう演技なのか微妙だった。天然なのか、つっこみなのか。酒井若菜だったら、また違ったかな。

あー、面白かった。また見に行こう。でも高い。パンフレットも1800円て。