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エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子のきせかえ密室  佐藤友哉

エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室 (講談社ノベルス)

AMAZON  内容(「MARC」データベースより)
2年B組に現われた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして、予言者…。エッジな学園ミステリー。

深夜から朝にかけての中で読みきってしまった。
いっぱい変な人出てくる。人しか食べれない少女。コスプレで自己変革を目指す少女。酷い虐めを受ける少女。前作のフリッカー式にも出てきた鏡稜子の学生時代。設定もおかしいけど、暗くてグロい学生生活。こんなん厭や。コスプレの少女は、自分自身の認識からくる失望と、上の存在に対する羨望がない交ぜになってて、若い感じが出てた。僕もそういう気分になることがあって、僕まだ思春期やってると気付かされた。

物語はまた密室とかどうでもいい感じで、最後にまた馬鹿げた世界が用意されてた。フリッカー式もそうだったけど、最初読む頃にはあった謎とか暗い世界へのフラストレーションの発散先というか希望する結末の形が、最後の方では何が何だかわからなくなってきてて、結局最初とは全然違う形で収束してしまって、それでもいいかという気分になってしまった。

鏡稜子の問答無用の行動とか思わせぶりな台詞とか自然に受け止められたので良かった。自分の力を正しく知ってる人間って感じがして好感が持てた。側にいたらいやだけど。